ゴボチの欠片

以前に報道されたニュースのその後って知ってますか??その他にも気になった事。書いてみたかった事を記事にしていきます。

「為替介入」「日銀介入」 「介入」とは何か?

日頃のニュースでよく耳にする言葉。

「為替介入」「日銀介入」

なんとなく知っているようで分かっていなかったので

ちょっと簡単にまとめてみました。

 

 

目次

 

1.為替介入とは

 為替レートを調整するために日本銀行外国為替の売買を行うことです。

外国為替市場への介入(外国為替平衡操作)と言われており、

ニュースや新聞では「為替介入」、「日銀介入」とも言われています。

 

 

2.為替介入の目的

 為替介入の目的は円相場の安定です。

最近の例では、イギリスのEU脱退が起こった際に世界中の投資家が安全資産を求めて円に投資しましたするとたくさんの円が買われ過度の円高を招きます。その結果、日本経済に悪影響を及ぼしました。

 

3.円高・円安について

為替介入の仕組みを説明する前に簡単に円高・円安についておさらいをします。

まず前提として

円高は円の価値が上がった状態、

円安は円の価値が下がった状態のことを指します。

 

上記を踏まえて下記の図を見て下さい。

 

 
日本の企業が100円の鉛筆を作りました。
これをアメリカのビジネスマンに売ります。
1ドル=100円(図の真ん中)を基準にします。
 
さて、円安の時はどうでしょうか。
円安とは円の価値が下がった時なので、1ドル=200円ですね。
1ドルのお金を手にするためには200円必要になるということです。
円の価値が下がっていますね。
アメリカのビジネスマンはもともと1ドルで買っていた鉛筆が半額の0.5ドルになりました。アメリカのビジネスマンは鉛筆を1か月に2本買うようになりました。
日本の企業は大喜びです。今までの2倍も鉛筆が売れるようになったからです。
 
 
それでは、円高の時はどうでしょうか。
円高とは円の価値が上がった状態なので、1ドル=50円ですね。
1ドルのお金を手に入れるのに50円あればいいのです。
これは円の価値が上がったからなんです。
アメリカのビジネスマンは困ってしまいました。今まで1ドルで買っていた鉛筆が2ドルになってしまったからです。ビジネスマンは鉛筆を1か月に1本買っていました。
しかし、円高の影響で鉛筆を2か月に1本にしてしまいました。
そうすると日本の企業は困ってしまいました。今までの半分しか鉛筆が売れなくなってしまったのです。
 
 上記の例を見ると円安と円高の特徴が見えてきます。
円安になると輸出が増加し、輸入は減少します。
反対に、円高になると輸出が減少し、輸入が増加します。
日本は自動車などたくさん輸出している国なので、あまりに円高になってしまうと
日本経済が衰退してしまうのです。
 
 

 4.為替介入の仕組み

 
 簡単な図にしてみました。

・円安にしたい時

 

 
 財務大臣「為替介入するって決めた!!」
→為替の介入は財務大臣の権限で行われますが、実際に為替介入の実務を行うのは日本銀行です。
 
日本銀行「為替介入するから資金を集めるよー!」
日本銀行による為替介入は「外国為替資金特別会計」の資金を使います。
この資金は主に外貨資金と円資金によって構成されていますが、
円安にしたい時には、「政府短期証券」※1を発行して円を調達します。
 
※1・・・「政府短期証券」とは、国庫の一時的な資金不足を補うために発行する短期の国債です。
 
 
日本銀行「資金集まったから円を売ってドルを買うよー!」
日本銀行は「政府短期証券」で調達した円でドルを購入します。
 
 
日本円「たくさん売られたから価値が下がったよー!」

 →円は売らた為に価値が下がり、逆にドルは買われたので価値が上がります。

これが円安・ドル高です。

 

 

円高にしたい時

 

 
 財務大臣「為替介入するって決めた!!」
→為替の介入は財務大臣の権限で行われますが、実際に為替介入の実務を行うのは日本銀行です。
 
日本銀行「資金は今持ってるドル預金を使うよー!」
日本銀行による為替介入は「外国為替資金特別会計」の資金を使います。
この資金は主に外貨資金と円資金によって構成されていますが、円高にしたい時は「外国為替資金特別会計」の保有しているドルを使います。
 
日本銀行「預金のドルを売って円を買うよー!」
日本銀行は「外国為替資金特別会計」の保有しているドルで円を購入します。
 
日本円「たくさん買われたから価値が上がったよー!」
→ドルは売らた為に価値が下がり、逆に円は買われたので価値が上がります。

これが円高・ドル安です。

・介入の種類について

補足ですが、為替介入にはいくつか種類があるので紹介します。

 

単独介入・・・一つの国が単独で為替介入を実施すること。

一つの国で行うので効果は比較的小さいと言われている。

 

協調介入・・・各国がそれぞれの通貨を用いて同時もしくは連続的に為替介入を実施する        こと。

単独介入よりは効果は大きいが、各国の意思が統一されていないと効果が薄くなってしまいます。

 

委託介入・・・日本の為替市場がクローズしているときに海外の通貨当局に依頼をして為     替介入を実施すること。

 

逆委託介入・・・海外からの要請に基づいて日本銀行が海外当局に代わって為替介入を実施すること。

 

5.まとめ

 為替介入とは、実体経済への悪影響を緩和するための手段ということです。

 

円高になりすぎると日本の輸出企業は苦しくなります。しかし、日本の消費者目線で考えると円高では海外のブランド品を安く買えるメリットもあります。

逆に円安になると日本の輸出企業は好調になりますが、消費者は海外商品の購入を控えます。よって国内の商品が売れるようになります。良いことばかりですね。

しかし、海外から日本を見るとどうでしょうか。

日本はたくさん輸出するくせに、国内製品ばかり購入するとなったら納得いかないでしょう。

 

これらのバランスをとるために行われるのが介入なんですね。 

 

 

 参考:日本銀行ホームページ